相続した空き家を売却したいという方は、空き家を取り壊し、土地だけの状態で売却することも検討してみましょう。 そうすることで、空き家が建ったままでの売却にはない、さまざまなメリットが生まれます。 ここからは、具体的にどのようなメリットがあるのかについて解説します。
空き家を取り壊して土地だけ売却することのメリット
空き家を売却する際の主な選択肢は、そのままの状態で古民家付きの土地として売却するか、建物を取り壊し、更地にした状態で売却するかのいずれかです。 また、空き家を取り壊して土地だけ売却することには、主に以下のようなメリットがあります。 ・管理をする必要がなくなる ・買い手の幅が広がる ・建物に関するトラブルを防止できる
管理をする必要がなくなる
空き家を取り壊し、土地だけの状態で売りに出せば、売却が成立するまでの間、空き家を管理する必要がなくなります。 空き家を所有する方の中には、自身の住まいから遠く離れた場所に所有する方もおり、そのような方は、管理が大きな負担になります。 また、身体が不自由な方などは、空き家が近くにあったとしても、頻繁に管理をしに行くのが難しいです。 一方、空き家を取り壊してしまえば、このような悩みからは解放されます。 もちろん、空き家を取り壊すための手続きは必要になりますが、管理し続ける手間に比べると楽だと言えるでしょう。
買い手の幅が広がる
空き家を取り壊し、土地だけ売りに出せば、買い手の幅が広がります。 空き家が建ったままだと、そのまま空き家を利用する方以外、なかなか買い手が付かなくなります。 なぜなら、買い手自身が空き家を解体しなければいけないからです。 つまり、解体の手間や費用がかかることから、空き家が残ったままの土地は敬遠されやすくなるということです。 一方、最初から土地だけの状態であれば、そこに建物を建てる方が買い手になるため、一般的に考えて、買い手候補は多くなるでしょう。 ちなみに、更地の状態であれば、貸し駐車場や貸倉庫、資材置き場など、住宅以外の方法で土地を活用しようと考えている方もターゲットになります。
建物に関するトラブルを防止できる
空き家を解体し、土地だけの状態で売却することで、建物に関するトラブルは未然に防止することができます。 例えば、空き家をそのまま利用しようと考える方に対し、空き家が残った状態で売却した場合、建物の雨漏りやシロアリ被害といった瑕疵が発覚すると、売主は売却後も責任を負わなければいけません（契約不適合責任）。 一方、更地の状態で売却すれば、買主の手に渡るのは土地だけであるため、後々責任を負う必要はなくなります。 何年も放置しているような空き家を売却する方にとって、こちらは大きなメリットです。
空き家を取り壊して土地だけ売却することのデメリットは？
空き家を取り壊して土地だけ売り出す場合、売却が成立するまでの間、固定資産税の金額が高くなります。 なぜなら、空き家が建っている状態であれば適用される、住宅用地の軽減措置が適用されなくなるからです。 また、特に売却活動をしないまま、すぐに空き家を取り壊してしまうと、「空き家があれば買い取ったのに」という買い手が現れる可能性もあるため、取り壊すのであれば、しっかり周辺のニーズをチェックしてからにしましょう。 ちなみに、こちらは当然のことですが、空き家を取り壊すには費用も手間もかかります。 特に、古い建物の場合はアスベストが使用されていることもあり、このような空き家の解体には特別な作業が必要なため、解体費用が高額になることも考えられます。 解体の手間に関しては、売主が直接解体するわけではないため、特にかからないと思われがちですが、実際は解体工事業者への依頼、工事前の近隣への挨拶周りなど、意外とやるべきことは多いです。 最近では、空き家の解体工事をする前に、その物件の所有者がある程度不用品を処分しなければいけないケースも多く、場合によっては不用品回収業者への依頼費用や手間がかかることもあります。
土地が再建築不可でないかどうかも確認しよう
空き家を取り壊して、土地だけ売却するのであれば、その土地が再建築不可でないかどうかも、事前に必ず確認しましょう。 再建築不可の土地は、1度建物を取り壊すと、新たに建物を建築することができません。 つまり、そこに建物を建てるつもりの買い手には売れなくなるということです。 また、通常の土地であれば、空き家を解体し、なかなか買い手が現れない場合に売り出すのを中止し、再び建物を建築することもできますが、再建築不可物件では基本的にこのようなことができません。
まとめ
ここまで、空き家を取り壊し、土地だけ売却することのメリットなどについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか？ 空き家を所有する方は、まず空き家が建っている状態で売り出し、しばらく様子を見ましょう。 そして、その後買い手が現れる気配がない場合には、空き家を取り壊して土地だけ売却することを検討してください。 すぐに取り壊して売りに出すと、売却のチャンスを
