居抜き売却を行う際、買主にチェックされるのは内装や設備の状況だけではありません。
買主はこれから店舗を開業するわけですから、当然物件そのものの特徴もチェックされます。
このとき、入りにくい店舗というイメージを与えると、居抜き売却が不利になってしまいます。
今回は、入りにくい店舗の主な特徴を解説します。
居抜き売却に不利な入りにくい店舗の特徴7選
以下に該当する店舗は、顧客が入りにくいと感じてしまいやすいことから、居抜き売却時における買主の評価も上がりにくいです。
・中の様子が見えない
・入口が狭い
・奥まった場所にある
・駐車場がない
・外観が汚い
・入口が暗い
・入口から店舗奥までの導線が設計されていない
各項目について詳しく説明します。
中の様子が見えない
中の様子がほとんど見えない店舗は、居抜き売却時に入りにくい店舗として良くない評価を受けやすいです。
なぜなら、初めて来店する顧客のハードルが上がってしまうからです。
初めての場所に飛び込むのには勇気がいります。
しかし外から店内の様子がわかりにくい店舗は、雰囲気などを掴みづらく、初めて訪れる方からすると不安を感じるものです。
また外観から予想される店内の印象と、実際の印象が違っていると、居心地の悪さや満足感の低さにつながるおそれもあります。
入口が狭い
入口が狭い店舗は、物理的に入りづらいため、新規の顧客が入りにくいと感じるものです。
またこのような店舗は、居抜き売却時に買主の心象を悪くしてしまうことがあります。
もし店先に設置された看板やイスなどが原因で入口が狭くなっているのであれば、居抜き売却時の内見までに整理しておきましょう。
もちろん、その中に不用品がある場合は、実際に居抜き物件を譲渡するまでに処分しておかなければいけません。
譲渡しない不用品を残したままにしていると、契約時のトラブルにつながります。
奥まった場所にある
路地裏などの奥まった場所にある店舗も、なかなか入りやすさを感じられません。
初めて店舗を見つけた顧客には、「敷居が高い」というイメージを与えてしまいます。
また奥まった場所にある店舗は、そもそも通行人の目につく機会が少ないため、存在を認知されるまでに時間がかかります。
さらにとてもわかりにくい場所にある店舗では、グルメサイトなどを見て訪れた顧客が店舗を見つけられず、来店を断念するケースもあります。
そのため、これから飲食店を開業しようと考える買主の評価は下がってしまいます。
駐車場がない
駐車場がない店舗も入りづらく、居抜き売却時には好条件での売却が期待できない可能性があります。
繁華街など通行量が多い立地であれば良いですが、住宅街の近くなどそのエリア周辺の顧客が多く訪れると判断できる場合、駐車場がなければ集客力は低下します。
また駐車場があったとしても、面積や前面道路が狭く停めづらかったり、大きい車が利用しにくかったりする駐車場は、あまり良い評価を与えられません。
ちなみに駐車場といっても、近所にコインパーキングがあるだけの場合、顧客が入店するハードルを上げるため、買主にも評価してもらいにくいです。
外観が汚い
外観が汚い物件も入りにくい印象が強く、当然居抜き売却時にも良い印象を与えられません。
居抜き開業の良いところは、内装や設備をほぼそのまま利用でき、工事に長い時間をかけなくて済むところです。
しかし明らかにドアや外壁、看板などの汚れや劣化がひどい場合、買主は開業前に清掃や取り替えを行わなければいけません。
そのため、とにかくスピーディーに開業したいと考える買主には敬遠されます。
入口が暗い
入口に十分な広さがあったとしても、照明が薄暗い場合は入りにくさを感じます。
また入口が暗い理由が、周囲の建物など環境的な問題ではなく、単純に暗い照明を使用していることなどである場合は、内見時までに交換しておきましょう。
照度の高い照明を設置すれば、店舗そのものが明るい印象になり、居抜き売却時の評価もアップする可能性があります。
入口から店舗奥までの導線が設計されていない
入口が広く外から見やすくても、店舗奥までの導線が設計されていない場合、多くの顧客は入りづらさを感じます。
例えば、店舗の入口のドアを開けたとき、目の前に見えるのが会計カウンターのみで、客席などは一切見えないような造りです。
たとえ店舗の入口付近がガラス張りなどになっていても、このような造りでは顧客が中をのぞいて状況を確認することができません。
また奥まった場所にある店舗と同じく、敷居が高いイメージを与えてしまいがちです。
そのため、居抜き売却においても不利になる可能性が高いです。
まとめ
入りにくい店舗であっても売主自身が改善できる状態であれば、まだ居抜き売却はスムーズにいく可能性があります。
一方立地や建物自体の問題など、売主の手ではどうしようもない問題については、ある程度買主に許容してもらうしかありません。
その他、マイナスな点を打ち消すために、その物件や設備の良い部分をアピールすることも求められます。