空き家の主な種類や全体に占める割合について

相続に関すること

2018年、総務省によって発表された住宅・土地統計調査によると、全国の空き家の数は846万戸にも及びます。 また、現在はさらに増加していることが予想されますが、こちらの空き家にはいくつかの種類があります。 ここからは、空き家の主な種類や、全体に占める割合について解説します。

空き家の主な種類と全体に占める割合

空き家と聞くと、古びた木造住宅の一戸建てのようなイメージがありますが、実際はそうとは限りません。 種類によっては、鉄骨造や鉄筋コンクリート造であっても、空き家になっているケースが多く見られます。 空き家の主な種類は以下の通りです。 ・賃貸用の住宅 ・売却用の住宅 ・二次的住宅 ・その他の住宅

賃貸用の住宅

賃貸用の住宅とは、賃貸料で収益を上げることを目的として建てられた住宅のことをいいます。 一戸建てなのか、マンションなどの共同住宅なのかの種類は問いません。 賃貸用の住宅は、管理会社などを通して入居者付けを行い、入居率を高めることで利益を上げることができます。 また、入居者が常に入っている状態をキープすることで、建物の老朽化も防げますが、駅から遠いなど、条件があまり良くない住宅の場合、なかなか入居者が決まらず、空き家の状態が続くこともあります。 特に、賃貸用の住宅が戸建て物件の場合、所有者が管理を行うとき以外は誰も利用しないため、劣化が激しくなります。 こちらは、管理会社に管理を依頼するケースでも同様です。 ちなみに、先ほども紹介した、2018年の総務省のデータによると、こちらの空き家の種類が全体に占める割合は、半数以上の50.9%にも上ります。 つまり、賃貸用の住宅が、空き家の中でもっとも多いということになります。

売却用の住宅

売却用の住宅とは、文字通り空き家の中でも、売却を目的としたものをいいます。 売りに出すということは、基本的にはすでにその住宅に人は住んでいないため、新たな買主が現れ、引っ越してくるまでは、空き家の状態が続きます。 また、空き家を売りに出したからといって、必ずしもすぐに買主が見つかるとは限りません。 例えば、地方の一戸建ては、車を利用する家庭が多いことを想定し、ガレージが併設されていることが多いですが、ガレージが付いていない場合、そのエリアのニーズに合わず、なかなか買主が現れないことがあります。 このように、なかなか売れない住宅は、売り出し期間が延びれば延びるほど買主が見つかりにくくなると言われていて、その間はしっかりと管理しなければ、老朽化が進んでいきます。 ちなみに、総務省のデータによると、こちらの空き家の種類が全体に占める割合は、3.5%とかなり少ないです。

二次的住宅

二次的住宅とは、その住宅の所有者が、日頃生活する居住用物件とは別の住宅を指しています。 別荘用住宅とも呼ばれます。 例えば、セカンドハウスとして、休暇時期に避暑、避寒、保養などの目的で使用する住宅がこちらに該当します。 その他、残業で遅くなったときに寝泊まりするなど、稀に使用するメインの住宅以外の住宅も含まれます。 また、このような住宅は、所有者が居住するエリアから遠いことや、管理する時間がなくなったことなどから、ほとんど使用されなくなり、空き家になることがあります。 特に、セカンドハウスとして使用される住宅は、年に一度など、訪れる回数が限定されやすく、所有者の他に管理者を用意しておかなければ、老朽化のリスクは高まります。 ちなみに、総務省のデータによると、このような空き家の種類は、全体の4.5%を占めています。

その他の住宅

その他の住宅とは、前述した賃貸用の住宅、売却用の住宅、二次的住宅のいずれにも該当しない住宅で、現時点で人が居住していないものを指しています。 例えば、その物件の所有者が転勤したり、入院したりしたことにより、長期間不在になっている場合や、すでに取り壊すことが決定している場合などは、こちらに該当します。 また、前述した3つの空き家の種類は、所有者の工夫により、今後新たに人が住む可能性があります。 一方、その他の住宅に分類される空き家は、住む人が見つからないまま放置され、どんどん老朽化が進むケースが多いです。 もちろん、このような空き家は、倒壊によって近隣住民に被害を与えるリスクや、衛生面が著しく悪化するリスク、浮浪者などが占拠することによる治安面のリスク、景観が損なわれるリスクなども高くなり、特定空き家に分類されると、固定資産税が高額になることも考えられます。 ちなみに、こちらの空き家の種類は、全体の41.1%を占めていて、近年もっとも増加傾向にあります。 ゆくゆくは、現在もっとも多い賃貸用の住宅の上回る可能性も十分あります。

まとめ

ここまで、空き家の主な種類は、それらの全体に占める割合について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか? 空き家全体の多くを占めるのは、賃貸用の住宅、何らかの理由で長期間住む人がいなくなった住宅です。 また、このような空き家の増加は、自然災害などによる倒壊や火災、犯罪行為のきっかけをつくることになり、大きな社会問題につながります。

タイトルとURLをコピーしました