空き家を所有している方の中には、管理に困っているという方もいるでしょう。 空き家は管理を怠ると劣化が進み、ほとんど価値のないものになってしまいます。 そのような場合は、空き家を賃貸として貸し出すという選択肢について考えてみましょう。 今回は、空き家を貸し出すメリット・デメリットを中心に解説します。
空き家を賃貸として貸し出すことのメリット
空き家を賃貸として貸し出す一番のメリットは、当然のことですが賃料を得られるという点です。 空き家の広さや間取り、エリアによって相場はまちまちですが、月に数十万円程の賃料を得られる可能性も十分にあります。 年間に得られる額で言うと、100万円以上になることも考えられます。 空き家を放置しているだけ状態と比べると、年間で100万円前後の利益が得られるというのは非常に大きなメリットです。 空き家に入居者が入ることで、定期的に建物や土地のメンテナンスをすることにもつながるため、老朽化も防止できます。 また、空き家を賃貸として貸し出すことによるもう1つのメリットは、その空き家に将来的に住めるという点です。 空き家を賃貸にすることで、ある程度の価値を持った資産を保有し続けることができ、将来住める家の確保ができるということです。 もし、将来所有する空き家に住みたいと考えているのであれば、定期借地契約の賃貸物件として経営し、好きな時期に自分の居住地に変換できるようにしておきましょう。
空き家を賃貸として貸し出すことのデメリット
空き家を賃貸として貸し出すことには、デメリットもあります。 まず一番のデメリットは、賃貸として提供するための費用がかかるという点です。 もちろん、空き家の状態が良い場合はそこまで気にならないかも知れませんが、少しでも放置されていた空き家の場合、思ったより劣化しているケースが多いです。 建物自体の修繕や手入れだけでなく、その土地のメンテナンスも行わない限り、なかなか人は集まらない可能性が高いです。 また、空き家を貸す場合だけに限ったことではありませんが、賃貸物件を経営する以上、入居者とのトラブルは避けられないでしょう。 家賃の滞納や騒音トラブルなど、経営者と入居者だけでなく、入居者同士のトラブルに巻き込まれる可能性もあります。 ちなみに、賃貸というのは、入居者が居る状態をキープしない限り、安定して利益を得ることはできません。 最初は順調に入居者が決まっても、すぐに退去してしまい、空き室だらけの状態になれば、賃料による収入はストップしてしまいます。 空き家を賃貸することにはメリットもありますが、簡単に利益を得られる方法だとは認識しない方が良いでしょう。
空き家を賃貸として貸し出す際の流れ
空き家を賃貸として貸し出す場合、まずは不動産会社に空き家の金額を査定してもらい、どれくらいの賃料で貸し出すことができるのか、相談するところから始めるべきです。 その際には、できる限り不動産の価値を高めるために、事前に物件を清掃しておいたり、破損している部分を修理したりしておくと良いです。 通常は、複数の不動産会社に査定してもらいもっとも相性の良いところ、きちんと借り手を探してくれそうなところと契約を結びます。 また、不動産会社の選択が完了したら、次は入居者を募集することになります。 不動産会社のホームページや店頭広告だけでなく、不動産ポータルサイトなど、さまざまな媒体を通じて宣伝してもらい、入居希望者を集めます。 入居希望者が見つかったら、条件などを話し合い、双方が納得した上で契約、引き渡しが行われます。 ちなみに、条件などは最初から決定していますが、入居希望者から賃料の値引き交渉など、さまざまな条件が提示されることは珍しくありません。 条件が合わなければ、また別の入居者を探さなければいけないため、交渉に対しては門前払いにせず、ある程度言い分を聞いた上で、対処できるところは対処するようにしましょう。
周辺情報のリサーチが入居者獲得のポイント
空き家を賃貸として貸し出す際、入居者募集に関連する業務の多くは、不動産会社が行ってくれます。 しかし、貸主となる空き家の所有者の方自身も、ある程度工夫をしなければ、なかなかすぐには入居希望者が現れません。 このとき、必ず行っておくべきこととしては、周辺情報のリサーチが挙げられます。 空き家周辺の情報をリサーチすることにより、賃料相場や人気の間取り、物件の特徴などは、強みや弱みを把握できます。 例えば、ファミリー層が多く住んでいるエリアの場合、広めの空き家の方が人気は高いですし、学生や一人暮らしが多いエリアであれば、賃料が安い方が入居者は集まりやすくなります。
まとめ
ここまで、空き家を所有する方に向けて、賃貸として貸し出すという選択肢について解説しましたが、いかがでしたでしょうか？ 空き家を放置し、管理の負担や維持費がかさむくらいなら、賃貸として貸し出し、少しでも利益を得る方が良いです。 ただし、簡単に利益を得られるというわけではないため、貸し出す前にはそれなりの覚悟と準備が必要になります。