相続税対策の必要性とポイントについて解説します!

相続に関すること

不動産を相続する際は、相続税が課税されることがあります。 また、相続税については、被相続人の生前に対策を取っておくことができますが、なぜこのような対策を取る必要があるのでしょうか? ここからは、不動産における相続税対策の必要性やポイントについて、詳しく解説します。

相続税対策の必要性には相続税の改正が関係している

2015年に相続税に関する改正が行われ、以前よりも基礎控除額が引き下げられました。 基礎控除額が引き下げられるということは、納めなくてはいけない相続税が増えたのと同じことです。 相続税の改正が行われる前の基礎控除額は、5,000万円+(1,000万円×相続人の人数)という計算でしたが、改正後は3,000万円+(600万円×相続人の人数)となっています。 また、控除される額は4割引き下げられ、相続税控除の対象にならない方が一気に増加することになりました。 例えば、自分の妻と子供1人が相続人になる場合、改正される前の基礎控除額なら7,000万円までは控除の対象になっていました。 このケースを改正後に当てはめると、4,200万円までしか相続税が控除されないことになるのです。 もし、東京都内など物価が高いエリアに不動産を所有している方であれば、相続税控除の対象になる可能性はさらに下がります。 つまり、相続税対策の必要性は、高価な不動産を所有している方だけでなく、一般的な価格の不動産を所有している方にもあるということです。

相続性対策の必要性がわかる事例を紹介

東京都内に、不動産を持っている2つの世帯がありました。 どちらの世帯も非常に裕福で、高価な不動産を持っていました。 Aの世帯では、10年間で祖父と祖母、世帯主であった父親が亡くなりましたが、今も同じ家に住み続けています。 Aの世帯は相続税対策の必要性を理解しており、世帯が持つ敷地に賃貸物件を構え、長い間相続税対策を実践してきました。 Bの世帯はすでにその場所に住んでおらず、10年前に祖父がなくなった時点で、世帯が持っていた不動産が数十億円という評価を受けました。 祖母は敷地の一部を相続し、残った財産は子供に分配しました。 しかし、この際、相続税が10億円以上になってしまったため、現金での分配はできず、残りの敷地を処分せざるを得なくなりました。 そしてその数年後に祖母がなくなったため、家族は残りの相続税を払うために家屋を売るしかなかったのです。 つまり、同じ場所に住み続けることができなかったということです。 同じエリアに住んでいて、同じくらい裕福な世帯であっても、相続税対策の必要性を理解しているかしないかで、これだけの差が生まれるのです。 相続税対策は残された家族に負担を与えないためにも、生前に必要性を理解することが大切です。

相続税対策の際に押さえておくべきポイント

では、ここからは、相続税対策を実施する際に押さえておくべきポイントをいくつか紹介します。

節税

相続税対策と聞いて、節税を思い浮かべる方は多いかと思います。 相続税は“相続できる財産そのものを少なくする”、“相続する不動産の評価額を低くする”、“控除額を増やす”という3つの方法で節税できます。 相続できる財産そのものを少なくするには、生前贈与を行う必要があります。 こちらは名前の通り、生前に相続できる財産を贈与することで財産を減らし、相続税を節約するという方法です。 生前贈与を行うときには贈与税という別の税金が発生しますが、1年で110万円以上の贈与をしなければ課税の対象外になります。 また、“相続する不動産の評価額を低くする”という場合に有効なのは、賃貸物件のオーナーになることです。 余っている敷地がある場合、賃貸物件を建設すれば、例え相続する場合でもすぐに売却はできず、評価額が下がって相続税は節税されます。 “控除額を増やす”というのは、支払いの対象外となる相続税を増やすことです。 生命保険への加入は控除額を増やすための一般的な方法で、相続人1人つき500万円まで相続税が免除されます。

納税

相続税対策のもう1つのポイントは、納税に充てる資金をどのように準備するかという点です。 納税に充てる資金を増やすためには、相続時にまとまった資金が入るように対策しておくことが大事です。 節税対策でも紹介しましたが、生命保険への加入は、納税に充てる資金を増やすことにもつながります。 生命保険は月々少額の資金を支払うことで、相続の際にまとまった資金が入ります。 その他にも、生前に納税資金を準備する方法はあります。 自身の所有する不動産における遊休資産(空き地など)を売却することで、あらかじめ生前に納税資金を準備することができます。

遺産分与

相続税対策における最後のポイントは、遺産分与です。 税金や資金に関する対策も大事ですが、相続税を誰に相続するのか、どのような割合で分けるのかということも事前に決めておかなくてはいけません。 1番一般的なのは、遺言によって相続人、相続税分配の割合を決定しておくということです。 遺言は被相続人の意思を明確にしたとても効果のある書面なので、相続人間で遺産トラブルが発生することを防ぎます。 また生前の時点で相続人、分配の割合が決定しているという方は、生前贈与をしておくことも効果的です。

まとめ

ここまで、不動産の相続税対策における必要性やポイントについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか? 相続税のトラブルにより、人生が大きく変わってしまうというケースは決して珍しくありません。 また、相続税による相続人の負担を減らすには、ある程度準備期間も必要であるため、被相続人の方は早めに動き出しましょう。

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