相続などにより、空き家を所有することになった方はその物件の用途や処分について考えなければいけません。 具体的には、居住、売却、活用のいずれかを選ぶことになりますが、活用方法の一つに資材置き場が挙げられます。 ここからは、空き家を資材置き場として活用するメリット・デメリットを解説します。
資材置き場とは?
資材置き場とは、工場や建築会社などが資材を保管する場所のことをいいます。 空き家を資材置き場として活用するとは、つまりこのような企業に資材置き場として土地を貸し出し、賃料を得ることを指しています。 また、資材置き場は、基本的に土地のみの状態で貸し出しますが、空き家の建物を倉庫として、土地を資材置き場として同時に貸し出すこともできます。
空き家を資材置き場として活用するメリット
空き家を資材置き場として活用するメリットとしては、主に以下のことが挙げられます。 ・初期費用が安い ・土地の形に関係なく実践できる ・転用性が高い ・管理する必要がない
初期費用が安い
資材置き場は、基本的に土地をそのまま貸し出す形になるため、初期費用はほとんどかかりません。 敷地内を清掃し、資材を保管できるスペースを確保できれば、すぐにでも実践することが可能です。
土地の形に関係なく実践できる
空き家の中には、土地が狭かったり、不整形地と呼ばれる歪な形だったりする物件もあります。 このような物件では、建物が広いスペースが必須の土地活用を行うことはできません。 一方、資材置き場の場合、ある程度狭かったり、土地の形が変わっていたりしても、借主の企業さえ了承すれば、レンタルスペースとして貸し出すことができます。
転用性が高い
空き家を解体し、更地の状態で資材置き場として貸し出す場合、転用性が高くなります。 転用性とは、別の用途への変更のしやすさを指しています。 つまり、更地で何もない状態でも貸し出せるため、もし借主との契約が終わったとしても、取り壊しなどを行う必要がなく、すぐ次の方法を検討できるということです。
管理する必要がない
空き家を放置していると、不法投棄が行われたり、建物が老朽化したりすることにより、敷地内だけでなく、近隣住民にも悪影響を及ぼします。 そのため、空き家を所有する方は、定期的にメンテナンスをしなければいけませんが、資材置き場の場合はこのような管理も必要ありません。 基本的には、借主の企業に管理をしてもらうことができるため、空き家の所有者は管理の手間や費用を省けます。
空き家を資材置き場として活用するデメリット
一方で、空き家を資材置き場として活用することには、以下のようなデメリットもあります。 ・収益性が低い ・需要が少ない ・相続税軽減の対象外になる ・取り壊し費用がかかる場合がある
収益性が低い
空き家を活用して行う資材置き場は、他の活用方法に比べて、あまり収益性が高くありません。 なぜなら、単純に土地を貸すだけの方法であるがゆえに、それほど高い賃料を設定できないからです。 もちろん、建物が残っていて、それも倉庫として貸し出せるのであれば、ある程度賃料は高くなりますが、そうなるとコストの問題から、なかなか借主が見つからない可能性があります。
需要が少ない
賃貸物件や駐車場など、他の活用方法と比べて、資材置き場はそれほど需要が高くありません。 特に、空き家が住宅しかなかったり、そもそも周辺の建物が少なかったりするエリアにある場合、借主を探すのはとても難しくなります。
相続税軽減の対象外になる
空き家を資材置き場として活用する場合、その物件は相続税軽減の対象外になります。 こちらは、空き家の建物を取り壊し、更地の状態で貸し出す場合に言えることです。 空き家が建っている場合は、小規模宅地の特例という相続税軽減制度の対象になりますが、建物がなくなると、こちらの特例は適用されません。 そのため、相続したばかりの空き家を活用するのであれば、他の活用方法としっかり比較した上で決定すべきです。
取り壊し費用がかかる場合がある
何度も言うように、空き家を資材置き場として活用する場合、更地の状態で土地だけ貸し出すのが一般的です。 また、資材置き場は他の土地活用と比較して、それほど初期費用がかからないという話をしましたが、建物が残っている場合は、取り壊し費用がかかることもあります。 もちろん、建物の規模が大きかったり、土地の形状が歪だったりする場合は、取り壊し費用が高額になることも考えられます。 具体的には、数百万円程度に上ることもあるため、事前にシミュレーションをしておかなければいけません。
まとめ
ここまで、空き家を資材置き場として活用することのメリット・デメリットについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか? 空き家の資産価値が高い場合は、売却するのがおすすめですが、収入源として活用したいのであれば、土地活用を行うことも考えましょう。 また、資材置き場だけでなく、さまざまな土地活用のメリット・デメリットを把握し、もっとも適しているものを選ぶのが大切です。