夏のお休みと言えば盆休みが挙げられますが、この時期に実家に帰省するという方も少なくないかと思います。 盆休みは、家族で不動産相続問題について協議する絶好の機会であるため、帰省したあかつきには、ぜひ話し合ってみてください。 今回は、このタイミングでの話し合いにおけるメリットなどを中心に解説します。
盆休みに不動産相続問題について話し合うメリット
盆休みの帰省時、家族と不動産相続問題について協議することのメリットは、主に以下の通りです。 ・トラブルが発生しにくい ・話し合いを進めやすい
トラブルが発生しにくい
帰省時は、同じ空間に家族が集まるため、しっかり顔を見て話し合いができます。 もちろん、話し合いは電話やメール等でも可能ですが、顔を見て話す方が言葉のニュアンス等も伝わりやすくなるため、今後家族で不動産相続関連のトラブルを起こす可能性は低くなります。 逆に、電話やメール等での話し合いでは、言葉がストレートに伝わってしまいますし、一度言い争いになったら、そこから二度と協議が行われなくなることも考えられます。 そうなると、相続時にトラブルが起こる可能性は非常に高いため、必ず盆休みの帰省時には話し合いの時間を設けましょう。
話し合いを進めやすい
例えば、両親が現在所有している不動産の今後について話し合うとしましょう。 このとき、手元に間取り図や登記事項証明書等、物件に関する資料があれば話を進めやすいですが、電話では家族全員が資料に目を通すことができません。 一方、実家に帰省するタイミングであれば、集まった家族全員がその場で同じ資料を見ながら、不動産相続の今後について協議できます。 つまり、直接顔を合わすタイミングの方が、スムーズに話し合いが進むということです。
協議すべき内容について
では、盆休みの帰省時には、具体的にどのようなことを話し合っておくべきなのでしょうか? 具体的には、以下の内容について話し合うべきです。 ・使用していない不動産があるかどうか ・実家の今後について ・祖父母の住宅について
使用していない不動産があるかどうか
両親が住んでいる住宅(実家)以外に、使用していない土地や空き家があるのかどうかについては、必ず話し合っておくべきです。 使用していないのであれば、早く売ることで固定資産税等を節約できます。 もちろん、両親の認知機能が低下した場合、子どもが代理で売却をしなければいけなくなるため、元気なうちに売ってもらうためにも、未使用の不動産の有無については話し合っておきましょう。
実家の今後について
両親が亡くなったとき、実家はどのように処理するのかについても、盆休みの帰省時に話し合っておきましょう。 特に、兄弟が複数人いるような場合、相続人は誰になるのか、どのように相続するのかについて、細かく協議しなければいけません。 これらを明確にしていないと、両親が亡くなった後、相続人同士での争族が起こる可能性は高くなります。 ちなみに、不動産は複数人の兄弟によって、共有という形でも相続できますが、この方法にすると後々売却等がしにくくなりますので、あまりおすすめできません。
祖父母の住宅について
両親だけでなく、祖父母も存命だという場合は、祖父母が現在住んでいる住宅の扱いに関しても協議しておきましょう。 両親が住む実家よりも、先に相続が発生するのは祖父母の住宅です。 もちろん、相続が発生する前に、祖父母と協議してその住宅を売却し、実家で同居することを検討しても構いません。
盆休みに不動産相続問題について話し合う際の注意点について
盆休みに、家族の不動産相続問題について話し合う際は、まず両親を不快な思いにさせないことを心掛けましょう。 実家は、両親が苦労して手に入れたマイホームです。 今すぐ売却することばかり勧めたり、相続に向けた準備のことばかり話したりすると、機嫌を損ねてしまい、そこからなかなか話し合いが進まなくなってしまうかもしれません。 もちろん、両親の口調が少し強くなったからといって応戦してしまうと、直接顔を合わせて話し合いをしている意味がなくなってしまいます。 また、盆休みの帰省時に不動産相続問題について話し合うのであれば、事前にその旨を両親に伝えておきましょう。 他の兄弟等も集まる場合は、そちらにも伝えておくべきです。 「真剣な話し合いをする」という気持ちで家族が集まれば、スムーズに協議に入っていくことができます。 逆に、その旨を伝えていない場合、両親や兄弟に嫌がられてしまう可能性があります。 その他で言うと、前もって話し合いの対象となる不動産の価格を査定しておくのも大事です。 例えば、前もって両親から実家の情報をメール等で送ってもらっていれば、それをもとに一括査定サイト等で現在の価格を算出できます。 価格がわかっていれば、話し合いの場において、今すぐ売却すべきなのか、相続すべきなのかなどを協議しやすくなるため、事前の査定は非常におすすめです。
まとめ
ここまで、盆休みの帰省時に、家族の不動産相続問題について話し合うことのメリット等を解説してきました。 初めは何のことだかわからなかったという方もいたかもしれませんが、今はある程度理解していただけたかと思います。 特に実家が遠く、なかなかすぐには帰れないという方は、盆休みという絶好の機会を逃さないことをおすすめします。