不動産の被相続人、相続人が知っておくべき豆知識について

相続に関すること

不動産を相続される方、もしくは今後被相続人になる方は、相続の流れや、それに伴って発生する費用などについて把握しておかなければいけません。 また、このような基本的な知識だけでなく、細かい豆知識についても身に付けておく必要があります。 ここからは、具体的に知っておくべきことをいくつか解説します。

相続権は、両親が離婚しても子どもが持ち続ける

不動産の被相続人となる方は、相続権について詳しく知っておく必要があります。 相続権とは、文字通り被相続人の財産を相続する権利のことを指します。 実はこの相続権は、両親が離婚しても子どもである相続人が持ち続ける権利なのです。 離婚しても子どもが相続権を持ち続ける理由には、相続における血縁関係の重要性が関係しています。 夫婦が離婚してしまった場合は、他人同士の関係に戻ってしまいます。 しかし、夫婦が他人同士になってしまっても、子どもは他人にはならず、親子の関係はそのまま継続します。 そのため、相続権は両親が離婚する前と同様に、子どもに発生するということになります。 たとえ、離婚した後何十年も会っていない子どもであっても、ずっと相続権を持ち続けることには変わりません。

離婚後に相続が行われるケース

不動産の被相続人が前妻と離婚したのが数年前で、その妻との間に生まれた子どもとは、もう何年も会っていない状態が続いているとします。 このとき、被相続人が現在の妻、そして現在の妻との間に生まれた子どもにのみ、相続をしたいというケースがあるとしましょう。 この場合現在の妻、そして現在の妻との間に生まれた子どもだけに、不動産を相続することはできるのでしょうか? 結論から言うと、前妻との間に生まれた子どもが権利を主張しなければ、現在の妻と子どもだけに相続することは可能です。 ただし、前妻との間に生まれた子どもには遺留分という権利があり、権利を主張した場合はその子どもにも相続しなくてはいけません。 遺留分とは、“最低でもこれだけは残しておかなくてはいけない”という相続分のことを指します。 実子に対する遺留分は、法定相続分の1/2までと定められています。 そのため、所有する不動産が5,000万円の場合、法定相続分が2,500万円で、遺留分は1,250万円ということになります。 ちなみに、現在の妻と子どもに相続をしたくても、遺言には離婚した妻との子どもに関することも記載しておくことをおすすめします。 先ほど、子ども本人が権利を主張しなければ問題にならないと言いましたが、逆に権利を主張されたときは大きなトラブルにつながりかねません。

不動産相続に伴う固定資産税の支払い義務について

相続される不動産の固定資産税は、基本的には被相続人ではなく、相続人が支払います。 なぜかというと、本来固定資産税はその不動産における登記名義人が支払いを義務付けられていますが、相続する場合、登記名義人(被相続人)がすでに亡くなっている場合が多いからです。 固定資産税は、遺産分割の協議をしている最中でも継続して発生します。 そして、複数の相続人で分割するのが非常に難しいというのも、固定資産税が持つ問題の1つです。 もし分けられないのであれば、相続人の中の代表者1人が先に支払い、後から他の相続人に相当分を支払ってもらうことをおすすめします。

固定資産税が支払えない場合はどうする?

不動産を相続し、保有し続けたいという相続人は、固定資産税を必ず支払わなくてはいけません。 しかし、どうしても支払えないという場合であれば、減免措置が受けられるかどうかを考えましょう。 以下の条件を満たしていれば、減免措置が受けられます。 ・天災、火災等で不動産の価値が著しく低下した場合 ・相続した不動産が公益のための利用されている場合 ・登記名義人が生活保護受給者の場合 ただし、こちらの条件は相続における特別な減免措置ではないため、受けるためのハードルはかなり高いと言えるでしょう。 減免措置以外に考えられる対処法は、支払いの猶予を受けられる可能性もあるので、すぐに相談に行くことをおすすめします。 ちなみに、固定資産税を滞納し続けてしまうと、その不動産だけでなく、現在居住している住居も差し押さえられてしまう可能性があります。 相続された不動産や住居が差し押さえられると、競売にかけられて強制的に売りに出されてしまいます。 滞納している固定資産税を支払えばすぐに差し押さえは解除されますが、“過去に差し押さえをされた”という履歴は残り続けることになります。 身内や職場の方にも知られる可能性もあり、そうなると非常に肩身が狭くなります。 そのため、どれだけ頑張っても相続された不動産の固定資産税を支払えないと感じた場合は、その不動産の売却も検討しましょう。

まとめ

ここまで、不動産の被相続人、相続人が知っておくべき豆知識について解説しましたが、いかがでしたでしょうか? 不動産の被相続人は残された相続人について、相続人は自身の遺留分、相続トラブルの回避方法などについて、細かく知っておく必要があります。 いずれかの知識が欠けていると、相続はスムーズに進まない可能性が高いです。

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