空き家の管理や維持に関するよくある質問にお答えします

相続に関すること

1年以上、誰も居住していなかったり、使用されていなかったりする住宅は、空き家という扱いになります。 また、急に相続をすることになった方などは、このような物件の扱いに困ったり、悩んだりするケースも多くなります。 ここからは、空き家の管理や維持に関するよくある質問にお答えします。

空き家の維持管理は必ずしなければいけないのか?

空き家を所有する方の中には、「維持管理を必ずしなければいけないのか?」という疑問を持つ方もいるかと思います。 もちろん、空き家の所有権自体はその所有者にありますが、それと同時に管理責任も発生します。 建物が倒壊したり、ものが落下したりして近隣の建物、通行人などに被害を及ぼした場合、その建物の所有者は損害賠償などの法的責任に問われることもあります。 また、空き家は個人の所有物ですが、地域の景観にも影響を与えることから、地域の財産としての一面もあります。 そのため、管理不良な状態にある空き家については、周辺環境に悪影響を及ぼさないよう、適切な管理に努め、危険な状態の空き家に関しては、速やかに改善措置を取る必要があります。

特に使う予定がない空き家はどうすれば良い?

空き家を所有しているものの、特に使い予定がない場合は、決して放置してはいけません。 持て余している空き家は、維持費が出ていくだけのいわゆる“負動産”になってしまいますし、特定空き家に指定されると、固定資産税の優遇措置がなくなるなど、さまざまなリスクを被ることになります。 そのため、何かしらの形で空き家を使用するのは重要です。 具体的な活用のアイデアとしては、クリーニングやリフォームなどを行い、賃貸物件として貸し出す方法や、建物を解体し、駐車場にする方法、更地にして企業に貸し出す方法などが挙げられます。 地方の空き家であれば、特に駐車場としての活用は需要が高いです。 もちろん、活用するのが面倒である場合には、売却することも検討すべきです。

空き家はどれくらいの価格で売却できる?

空き家の管理や維持が困難な方は、売却を検討することもありますが、この場合に気になるのは売却価格でしょう。 一概には言えませんが、比較的新しく、良好に維持された物件やリフォームされた物件を除き、空き家はほとんど売却価格がつかないケースが多いです。 特に、築30年以上経過しているような空き家は、土地代のみの価格で売却されるのが通常です。 また、空き家の売却には、建物付きの状態だけでなく、更地で売却するという方法もあります。 更地であれば、買い手の幅はある程度広がることが予想されますが、数百万円の解体費用がかかる場合があるため、それほど売却価格については期待できません。

空き家に不法侵入者がいる場合はどうすれば良い?

長い間空き家の管理を怠ってしまうと、不法侵入者が住みついてしまうおそれがあります。 また、不法侵入者が住みつくと、家具や家電などを盗まれたり、ごみを不法投棄されたり、タバコなどの不始末から火事が発生したりと、さまざまなトラブルにつながるおそれがあります。 そのため、早急に対処しなければいけません。 もし、空き家を訪れたときに、不法侵入者がいることがわかったのであれば、すぐに警察に通報しましょう。 その場から離れてしまうと、警察でも捜査が難しくなるケースが多いです。 ただし、空き家の維持管理を管理会社などに委託している場合、不法侵入者ではなく、管理会社の担当者が訪れている可能性もあるため、注意しなければいけません。

共有名義の空き家はどのように処分すれば良い?

相続によって空き家を引き継いだ方の中には、複数の相続人の共有名義で空き家を管理している方もいるかと思います。 また、このような空き家について、特に誰も使用する予定がないことから、解体を使用と考える方もいますが、こちらは注意が必要です。 例えば、4人で共有している空き家において、1人の相続人と連絡が取れない場合、残り3人の意思だけで解体することはできません。 こちらは、民法において「各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることはできない」というルールが定められているからです。 空き家を共有する相続人が行方不明である場合は、まず住所や所在を調査し、それでも連絡がつかない場合、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立て、その人物に対して同意を求める方法が考えられます。 ちなみに、令和3年4月の民法改正により、裁判所に申し立てて決定を得れば、所在不明の共有者以外の共有者全員の同意により、共有物に変更を加えることができるようになっています。

まとめ

ここまで、空き家の管理や維持に関するよくある質問にお応えしてきましたが、いかがでしたでしょうか? 空き家の管理には手間がかかりますが、所有者である以上、その義務から逃れることはできません。 また、管理や処理が難しいのであれば、そのまま放置することなく、民間の管理会社や自治体などに相談したり、不動産会社に相談し、売却活動を進めたりすることをおすすめします。

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