空き家を相続した方の中には、居住する予定はないものの、何とか活用できないかと考えている方もいるかと思います。 そのような方のポピュラーな選択肢として挙げられるのが、駐車場経営です。 ここからは、空き家を解体し、更地の状態で駐車場経営を行うことのメリット・デメリットについて解説したいと思います。
空き家で駐車場経営を行うメリット
空き家を解体し、駐車場経営を行うメリットとしては、主に以下のことが挙げられます。 ・安定収入が得られる ・維持管理費が少ない ・次の土地活用がしやすい
安定収入が得られる
空き家での駐車場経営は、初期費用を抑えながら安定した収入を得られる点が魅力です。 また、空き家の場合は住む予定がなくても固定資産税が発生し、維持管理の手間も必要となるため、所有しているだけでマイナスになるケースも少なくありませんが、安定収入があれば、その金額を固定資産税などの支払いに充てることもできます。
維持管理費が少ない
空き家を活用したアパート、マンション経営では、設備の修理交換、入居者入替え時のリフォーム・大規模修繕などさまざまな修繕費がかかります。 また、火災保険料・共用部の光熱費・植栽の管理など日常の維持費も必要です。 一方、駐車場であれば、固定資産税などの税金以外には維持管理費用はほとんどかかりません。 アスファルト舗装にすれば、雑草も生えにくくなるため、除草の手間も軽減されます。
次の土地活用がしやすい
空き家での駐車場経営には、次の土地活用がしやすいというメリットもあります。 こちらは、最悪の場合経営が立ち行かなくなっても、土地の上に建物があるわけではないため、次の活用への支障が少ないということを意味しています。 特に、土地を整地し、区画しただけのシンプルな青空駐車場であれば、転用は極めて簡単です。
空き家で駐車場経営を行うデメリット
一方、空き家で駐車場経営を行うことのデメリットとしては、主に以下が挙げられます。 ・固定資産税や都市計画税が増える ・ハイリターンは期待しにくい ・利用が少ないと赤字になる
固定資産税や都市計画税が増える
先ほど、駐車場経営の安定収入を固定資産税などの支払いに充てられるという話をしました。 しかし、空き家を解体して駐車場にすると、土地の固定資産税や都市計画税の軽減措置が受けられなくなります。 具体的には、軽減措置が適用されなくなることにより、固定資産税は最大6倍に、都市計画税は最大3倍にまで増える可能性があります。
ハイリターンは期待しにくい
空き家で駐車場経営を行う場合、収入はある程度安定していますが、初期費用が安い分、返ってくるリターンもそこまで大きいわけではありません。 具体的には、年間で数十万円単位の利益が出る程度と考えておくのが無難です。 もちろん、大規模な駐車場や、都心の一等地などに駐車場を構えることで、大きな収益を得やすくなりますが、駐車場経営だけで、年間数百万単位、数千万円単位といった利益を上げるのは至難の業だと言えます。
利用が少ないと赤字になる
空き家を駐車場にする場合、車を停めたい人がいるかどうかの利用ニーズが非常に重要になります。 利用が少ないと赤字になってしまう可能性があるため、周辺の商業施設や競合となる他の駐車場利用状況などの情報をしっかりと集めて、準備しておくことが大切です。 もちろん、そもそも空き家の周辺に住宅がある程度存在するかどうかも、前もってチェックしておかなければいけません。
2種類の駐車場経営におけるメリット・デメリット
空き家で行う駐車場経営には、主に月極駐車場とコインパーキングの2種類があります。 それぞれの主なメリット・デメリットも見てみましょう。
月極駐車場のメリット・デメリット
月極駐車場は、機械の導入が必要なく、敷地の舗装も必須ではないため、初期費用や開始の手続きはとても少ないです。 また、契約者が決定すれば、収入も安定します。 ただし、契約者以外の車が不正に駐車されたり、賃料を滞納されたりする可能性がある点はデメリットだと言えます。
コインパーキングのメリット・デメリット
コインパーキングは、月極駐車場と違って一時的な利用にとどまるため、アクセスの良くない立地であっても、利用者が現れる可能性があります。 また、月極駐車場は契約が取れないと収入がゼロになってしまいますが、コインパーキングはそのような心配が少ないです。 一方、コインパーキングは機械を導入しなければいけないことから、初期費用は割高であり、天候などによって収益が減ることもあれば、周辺の飲食店の人気が上がったことなどで利用客が増えることもあり、良くも悪くも収入が不安定です。
まとめ
ここまで、空き家で駐車場経営を行うことのメリット・デメリットを中心に解説してきましたが、いかがでしたでしょうか？ しっかりと集客ができる見込みがあるのであれば、空き家を解体して駐車場にするというのは悪くない選択です。 しかし、空き家が僻地にある場合や、大きな収入を得たい場合などは、別の活用方法も検討すべきだと言えます。